産総研、新しい工業用X線非破壊検査法を実証

産業技術総合研究所生産計測技術研究センタープロセス計測チーム主任研究員の上原雅人氏と東北大学多元物質科学研究所教授の百生 敦氏らは、半導体パッケージの封止材中の空隙(ボイド)など、従来のX線非破壊検査法では見えなかった内部欠陥がX線タルボ干渉法により観測できることを実証した。

131007sansoken1

金属を透過できるX線は工業製品の非破壊検査に用いられている。しかし、工業製品は金属の他、セラミックスや樹脂などX線吸収係数の大きく異なる材料で構成されており、従来のX線吸収像では、樹脂などのX線吸収係数の小さい部材の検査は難しい。一方、X線位相像では樹脂などでも十分なコントラストの像が得られるが、撮影には多くの場合、大型の放射光光源を必要とし、生産現場での利用に難があった。

X線タルボ干渉法では、実験室用のX線源でもX線位相像を撮影できる。これまで医療用としての開発が先行していたが、産総研は、電子部品の欠陥観察への利用を提案して実験を行なった。その結果、これまでのX線非破壊検査では見えなかった、樹脂などの内部の欠陥を観測できることが分かった。品質管理の高度化などへの貢献が期待される。

詳しくはこちら