シーシーエスと玉川大,LED照明を用いて植物の成長の効率を高める栽培法を確立

LED 照明のシーシーエスは,玉川大学との共同研究により,ロイヤル フィリップス社製植物栽培用LED 照明を用いて,チップバーンを発生させることなく植物の成長を最大限に促進する栽培方法を見出した。

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チップバーンとは,植物が成長するために必要な要素の一つであるカルシウムの欠乏により,葉先が焼けたように黒くなる生理障害で,成長促進過多により発生する。チップバーンが発生すると,野菜としての商品価値が落ちるなどの生産上の大きな問題となる。植物工場では,光量を上げて成長促進を高めて収穫量を増やすとチップバーンが発生し,生産性が上がらない,というジレンマに悩まされており,植物工場の生産性向上のために有効な解決策が望まれていた。

シーシーエスはこの問題を解決するために,玉川大学農学部教授の渡邊博之氏と,チップバーン発生の原因であるカルシウム欠乏を回避する栽培方法についての共同研究を進めてきた。栽培養液中のカルシウムと各種要素との関係性から,カルシウム吸収を促進する養液の処方を検討し,栽培試験を重ねた結果,光環境に合わせた適切な養液の処方を見出した。また,養液の吸収を促す空気の流れ,すなわち最適な風速の制御方法を導き出すことができた。この結果,成長量を維持したまま,チップバーンを抑制する栽培方法を見出した。

フィリップス社製植物栽培用LED 照明は,優れた成長促進効果を有しており,特に遠赤色を含むLED 照明は,植物工場で多く使われているHf 蛍光灯に比べて消費電力量当たり2倍以上の収穫量が得られる。今回の共同研究の成果により,フィリップス社製植物栽培用LED照明が持つ成長促進効果を最大限に活用することが可能となった。

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