富士フイルムとimec,サブミクロンオーダーのパターン形成が可能な有機半導体用の新フォトレジスト技術を開発

富士フイルムと欧州の半導体研究機関のimecは,サブミクロンオーダーのパターン形成が可能な有機半導体用の新フォトレジスト技術を開発した。

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有機半導体は,シリコンなどの無機半導体と比ベて,軽量,大面積,フレキシブルが可能などの特徴から,有機太陽電池やフレキシブルディスプレイ,センサなどの用途を拓くと期待されおり,近年,研究開発が活発化している。

現在,有機半導体を生産するためのパターニング方法として,シャドーマスク法やインクジェット印刷法などがあるが,これらの方式には大型基板上で高解像度にパターニングすることが困難であるという課題がある。一方,現在主流で,シリコン半導体のパターニングに採用されているフォトリソグラフィー方式は,大型基板上での高解像パターニングが可能だが,有機半導体を生産する場合,フォトレジストが有機半導体材料を溶解してしまうという問題があった。

今回,富士フイルムとimecは,有機半導体材料へのダメージを与えずに,大型基板上でサブミクロンオーダーのパターン形成を可能にする新フォトレジスト技術を開発した。新技術は,富士フイルムの有機化学合成技術を駆使して材料設計したフォトレジストに,富士フイルム・imecの半導体プロセス技術を融合させて構築したもの。さらに,既存のi線露光装置を使用でき,新たな設備投資が不要であるため,コスト効果に優れた高解像の有機半導体デバイスの製造に貢献できる。

また,富士フイルムとimecは,技術検証のため,新技術を用いて有機フォトディテクタ(OPD)および有機発光ダイオード(OLED)を作製し,その動作を実証した。有機半導体材料をパターニングして,200μm×200μmサイズまでの微細な受光素子を形成したOPDを作製。一般的に有機半導体材料にパターニングすると,光を電気に変換する特性(光電変換特性)が劣化するが,今回作製したOPDはパターニングしてもその劣化無しに動作することを確認した。またOLEDでは,有機半導体材料をパターニングして,20μmピッチの発光素子を形成し,均一な発光を得られることが確認できた。

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