ニコン,カメラ用交換レンズの全ての収差を測定できる計測装置と専用画像シミュレータを開発

ニコンは,カメラ用交換レンズの全ての収差を測定できる計測装置「OPTIA」,および専用の画像シミュレータを開発し,運用を開始した。「OPTIA」は,半導体露光装置用に開発した収差計測手法をカメラ用レンズ向けに展開し,さらに発展させたもの。

半導体露光装置の露光に使用する光は,極めて狭い波長域だが,カメラ用レンズは可視全域にわたる広い波長域におよび,また収差の量も格段に大きくなる。「OPTIA」は,こうしたカメラ用レンズの特性に対応した新開発の収差計測センサを搭載し,多種多様なカメラ用レンズで,その性能のほぼ全貌を計測可能とした装置。

カメラ用レンズの性能には,「解像力」以外に、「ボケ味(あじ)」「質感」「奥行き感」などと表現される,さまざまな特性(「レンズの味」などと呼ばれます)がある。 いままでの同社の評判の高いレンズを,「OPTIA」で収差計測することにより,「レンズの味」と収差の対応関係を明らかにすることができる。

今回,「OPTIA」と同時に開発した画像シミュレータ(ソフトウエア)は,レンズを試作して実写することと同等のシミュレーションが設計段階で可能になるため,「OPTIA」で明らかになる「レンズの味」と収差の対応関係を使うことにより,「解像力」だけでなく「レンズの味」といわれるさまざまな特性をコントロールしたレンズの開発が可能になる。

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