京大ほか、野生イルカの突発性射精(夢精)を世界で初めて記録

京都大学野生動物研究センター特定助教の森阪匡通氏らは、御蔵島観光協会の小木万布氏、三重大学教授の吉岡基氏らとの共同研究により、世界で初めて野生のイルカの突発性射精(夢精)を記録、報告した。

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これまで突発性射精はげっ歯類(ラットやハムスター)、偶蹄類(ヒツジやテセベ)、肉食類(ネコやブチハイエナ)、そしてウマやチンパンジー、ヒトなどにおいて報告がなされており、ヒトでは夢精として知られている。

さまざまな動物において見られる一般的な現象であると考えられるが、観察がきわめて難しいため、報告がなされていない動物がたくさんいると考えられており、観察がさらに難しい水生哺乳類からは全く報告がなかった。

突発性射精の機能はわかっていないが、(1)過剰または異常な精子を取り除く、(2)性的ディスプレー、(3)特に機能は持たず、射精を抑制する神経系のコントロールが緩む睡眠もしくは眠たい状態の時に偶発的に起こる、といったことが、これまで考えられている。この報告は、さまざまな動物においてこの現象が一般的に起こっていることを示唆し、ヒトの夢精に関する深い理解につながるものと考えられる。

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