京大、水も油もよく撥く柔軟多孔性物質「超撥水・超撥油性マシュマロゲル」の開発に成功

京都大学理学研究科准教授の中西和樹氏らの研究グループは、撥水性表面をもつ柔軟多孔性材料「マシュマロゲル」の細孔表面に撥油性の分子を結合させて表面エネルギーを低下させることにより「超撥水・超撥油性(水滴・油滴とも接触角が150度以上)マシュマロゲル」の開発に成功した。

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撥水・撥油性表面は防汚などの応用面から注目されている性質だが、そのような表面の作製は容易でなく、表面微細加工技術などを駆使したさまざまな方法が考案されてきた。

研究グループは今年1月に撥水性表面をもつ柔軟多孔性材料「マシュマロゲル」を発表した。この物質は内部に多数の細孔を有する「多孔性物質」であり、水を非常によく撥く「超撥水性」(水滴の接触角が150度以上)をもつ一方で油にはよく馴染むため、スポンジを絞るように水から油を迅速に分離回収することが可能なもの。このマシュマロゲルの細孔表面に撥油性の分子を結合させて表面エネルギーを低下させると、水だけでなく油までもよく撥く多孔性物質を得ることができると考え、研究を行なった。

超撥水・超撥油性(水滴・油滴とも接触角が150度以上)をもつ塊状柔軟多孔体はこれまでに作製例がない。しかも、複雑・高価な器具が必要でなく、高校の化学実験室でも再現できるような簡易な手法で作製できるため、広い分野での応用が期待される。

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