産業技術総合研究所ナノチューブ応用研究センター首席研究員の畠 賢治氏、CNT用途開発チーム研究チーム長の山田健郎氏、産総研特別研究員の関口貴子氏は、ネットワーク構造の単層カーボンナノチューブ(CNT)をゴムに分散させることで、従来のゴムでは実現できなかった数百ナノメートルやマイクロメートルの精度でゴム表面を加工する技術を開発した。
ゴムに代表されるエラストマーを加工する方法としては、従来から金型成形加工や切削加工などが知られている。特に金型成形加工は生産性に優れ、連続生産もでき、大量生産に適しているが、プレス成形中の気泡混入や、成形後のクリープにより、ナノメートル、マイクロメートル単位での高精緻な加工が事実上不可能であった。
今回、ネットワーク構造の長尺単層CNTをゴムに分散させることで、ゴム中で自由自在に変形できる支持材としてCNTが働き、ゴムの柔軟性と高精緻な形状維持性を両立した。今回開発した技術を用いると、自由自在にマイクロサイズのゴム表面加工を、数百ナノメートルやマイクロメートル精度で行うことが可能になり、例えば表面加工することにより濡れ性、密着性、光学特性を制御した高機能ゴムへの応用が期待できる。
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