京都大学原子炉実験所助教の中村秀仁氏らの研究チームは、光の色を変換するプラスチック(波長変換材の一種)の新メカニズムを発見した。
光の色を変換するプラスチックは、既に光伝搬用ファイバーから作物栽培用フィルムまで幅広い用途で利用されている。しかし、その色の変換メカニズムは、必ずしも十分に解明されていなかった。
研究チームは、ベース素材であるプラスチックに低濃度から高濃度の蛍光剤を添加することにより、ベース素材と蛍光剤間で濃度ごとに新たな混合状態が形成されることを示し、その状態により3つの段階で変換された光が放たれるという新しい「光の色の変換メカニズム」が存在することを発見した。さらに濃度の増加により変換できる色は、可視光領域を超えて紫外光領域まで著しく広がることを見出した。
本成果は、紫外光の変換や遮断などの産業技術開発への応用のみならず、蛍光剤の濃度調整による光伝搬の低雑音化や、紫外光の可視光への変換による作物栽培の効率向上等に貢献するものと期待されている。
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