大阪大学,光触媒や色素増感太陽電池の効率を向上する,酸化チタンメソ結晶の簡便な合成法を開発

大阪大学産業科学研究所教授の真嶋哲朗氏は,色素増感型太陽電池や光触媒,リチウムバッテリーなどに広く利用されている酸化チタンについて,メソ結晶を簡便に合成する方法を開発した。メソ結晶とは,結晶性ナノ粒子がマイクロメートル程度に自己組織化し,三次元的に規則的に配列した超構造体。

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メソ結晶は,ナノ粒子同士が一定の配置で互いに接しているため電荷が効率よく移動できると考えられており,色素増感型太陽電池をはじめとするデバイスに応用することで,性能の向上が期待できるという。

今回開発した金属酸化物メソ結晶の合成法は,ターゲットとする金属イオンと界面活性剤を混ぜ合わせて加熱するだけで,メソ結晶粉末ができるというシンプルなもの。

この方法で作成したメソ結晶の光導電性を従来の酸化チタンと比較したところ,メソ結晶の方が50倍程度高いことが分かった。また光触媒活性についても,メソ結晶の方が3倍程度高かった。高効率な粒子間電荷移動と大きな比表面積から,試作した酸化チタンメソ結晶は色素増感型太陽電池だけではなく,光触媒,リチウムイオンバッテリーなどへの応用も期待できるという。

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