日立ハイテク,独スペクトロ社製 ICP発光分光分析装置を発売

日立ハイテクノロジーズの100%子会社で,分析計測装置を製造販売している日立ハイテクサイエンスは,SPECTRO Analytical Instruments GmbH製ICP発光分光分析装置「SPECTROBLUE(スペクトロブルー)」の第3のタイプ,「TI(ティーアイ)」を日本国内で発表・発売した。価格は1,240万円。日立ハイテクサイエンスは2011年2月にスペクトロ社と日本国内における販売契約を締結し,同社製のICP発光分光分析装置およびICP質量分析装置を販売している。

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従来,「SPECTROBLUE」は測光方式が軸方向(アキシャル)のタイプ「EOP」と横方向(ラジアル)のタイプ「SOP」の2モデルをラインナップしている。それぞれの特徴としては,軸方向の場合,高い感度と優れた検出限界が得られ微量元素分析に優れるものの,高い濃度のアルカリ金属を測定する場合,イオン化干渉により誤差が出てしまう問題があり,その誤差を少なくするためイオン化抑制剤の添加が必要となる。

一方,横方向の場合,高い試料濃度のサンプルでも精度良く測定ができるのに加え,高濃度食塩水,有機物,懸濁液などでも優れた耐性を持つものの,軸方向と比べて感度が低い。

今回発売する「SPECTROBLUE TI」は、一台で軸方向・横方向の測光ができるツインインターフェイス方式。この結果,多様な分析ニーズに対応。例えば環境分析では,土壌や排水のようにアルカリ金属が複雑・高濃度に含まれている試料であっても,イオン化干渉の影響を最小化させた横方向モードによりアルカリ金属のナトリウム,カリウム,またアルカリ土類金属のカルシウムについて精確な分析結果が得られる。加えて軸方向モードによって,カドミウムや砒素,鉛といった微量な有害物質も測定することができる。

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