筑波大、アメーバの多細胞集団で不思議な波動現象を世界で初めて発見

筑波大学生命環境系准教授の桑山秀一氏の研究グループは、多細胞集団の運動においてソリトン現象が存在することを世界で初めて発見した。

ソリトン波とは、衝突しても互いに波形が変わらずに通りぬける不思議な性質をもつ孤立した波のことで、さまざまな非線型現象として現れることがわかっているが、これまで細胞運動のレベルにおいてソリトン現象が存在するとは想像すらされていなかった。

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観察した細胞の塊は、ぶつかり合っても互いの形を崩すことなく通り抜けてしまうことから、同質の細胞の塊であっても互いに独立(孤立)して粒子状に存在しており、衝突の前後でそれぞれの形を記憶し元の形を維持する。

今後、このぶつかっても通り抜けるという多細胞運動の不思議な特徴をもたらしている未知のメカニズムが解明されれば、生物の器官形成や個体形成といった形作りのメカニズムに新しい視点が得られることが期待される。

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