日本アビオニクスは,防爆機器のIDECと共同で,赤外線サーモグラフィカメラ(以下サーモカメラ)の防爆構造を開発し,最新の検定規格に合格した。この技術の製品化により,同社従来品と比較して防爆性能の向上,筺体の共通化,小型・軽量化,低価格化のすべてを同時に実現することが可能となる。
従来,防爆エリアにサーモカメラを設置する場合は,大型の内圧防爆構造のハウジングの内部にサーモカメラを収納し設置していた。そのため,ハウジングの大きさから設置場所が制限されたり,その重量から保守作業が非常に困難だった。また,このようなハウジングはカメラやオプションレンズの大きさに合わせて特注で製作されており,防爆検定費用を含めたその価格の高さが普及の妨げとなっていた。
今回開発した耐圧防爆カメラケースは,各種危険ガスに加え水素ガス雰囲気でも使用可能な防爆性能(ExdⅡB+H2T6)を有しながら,従来の内圧方式に比べて体積で約20分の1となる国内最小クラスの小型化・軽量化を実現した。これにより,設置スペースが狭い生産ラインなどへの設置ができるようになり,メンテナンス作業も大幅に軽減される。
また,新開発の光学設計(特許出願中)により,レンズ開口部を大幅に小型化することで,窓材の前に金網等を設置することなく最新の「国際整合防爆指針」(2008Ex)に適合した。さらに,ケースの外側に取り付け可能なオプションレンズの開発により,オプションレンズ使用時でも筐体はそのまま使用できるので,低価格が可能となった。
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