京大など、骨髄異形成症候群の白血病化の原因遺伝子異常を発見

京都大学大学院医学研究科腫瘍生物学講座教授の小川誠司氏および米国 クリーブランド・クリニック 教授のJaroslaw P Maciejewski氏、東京大学医科学研究所附属ヒトゲノム解析センター教授の宮野悟氏、名古屋大学大学院医学研究科小児科学教授の小島勢二氏を中心とする国際共同研究チームは、700 例以上の骨髄異形成症候群(MDS)や白血病の症例を対象として高速ゲノムシーケンス技術を用いたゲノム解析を行い、SETBP1という遺伝子の変異が MDS から白血病への進行に関わっているということをつきとめた。

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MDS は、白血病などと並ぶ血液がんのひとつで、日本でも推定で数万人の患者がおり、年間 5,000 人以上が新たに発症している。MDS はしばしばより急速に病気が進行する急性骨髄性白血病へ移行することから、MDSの白血病への進行を予測する新たなマーカーの発見が求められていた。

今回の研究成果は、この変異をマーカーとしてこれまでより早期に MDS から白血病へ進行するハイリスクの患者を予測できるようになることが期待される。また、SETBP1 を治療標的とした新たな創薬に期待がもたれる。

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