NIMS、アルミニウム表面酸化の動的過程を解明

物質・材料研究機構極限計測ユニット主幹研究員の倉橋光紀氏とグループリーダーの山内 泰氏は、独自に開発した分子軸方位を制御した酸素ビームを用いて、アルミニウム表面酸化の動的過程を解明する決定的証拠を示し、20年間続いた反応機構の議論に決着をつけた。

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倉橋氏らは、独自に開発した分子軸方位を制御した酸素分子ビームを用い、アルミニウム表面への酸素吸着確率が分子軸方位に大きく依存することを明らかにした。そして、運動エネルギーが0.1eV以下の低速の酸素分子は軸が表面に対して平行に近い場合にのみ吸着すること、一方、0.2eV程度以上のエネルギーを持つ酸素分子は軸方位によらず吸着することを証明した。

これまでは低速条件で軸が表面垂直の分子が吸着する機構が正しいと考えられ、このことが反応機構の議論を長年混乱させてきた。しかし、本研究によってこの機構が誤りであることが証明された。

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