福岡大、がんなどの痛みの原因である「神経障害性疼痛」発症の引き金発見

福岡大学薬学部の研究グループは、九州大学大学院薬学研究院との共同研究で、糖尿病、末期がん、抗がん剤の副作用などで神経が傷害されると、引き起こされる慢性的な激しい痛み(神経障害性疼痛)の発現に、情報伝達を担うタンパク質のケモカインの一種であるCCL-1(C-C motif ligand-1)が深く関与していることを世界で初めて証明することに成功した。さらに、CCL-1の中和抗体をあらかじめ投与したマウスや、CCL-1の受容体であるCCR-8の欠損したマウスでは、神経障害性疼痛が抑制されることを確認した。

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この研究成果は、新しい薬の開発につながるものであり、モルヒネでも痛みを抑えることのできない、慢性的に激しい痛みに苦しむ多くの患者に対して、明るい希望をもたらすものと期待される。また、この発見はさらなる疼痛発現メカニズムの解明にもつながり、神経障害性疼痛の予防・治療戦略として大変有益であると期待されるもの。

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