東京大学理学系研究科博士課程学生の東森一晃氏、教授の星野真弘氏、同生産技術研究所助教の横井喜充氏らの研究グループは、乱れ場の効果(乱流)を考えることで、磁気リコネクションが非常に効率よく起きることを発見した。
今回の成果は、乱流モデルを組み入れた拡張した電磁流体力学(MHD, magneto-hydro-dynamic)方程式を、数値シミュレーションを用いて調べることにより、自発的に発達する乱流中で高速リコネクションが実現することを見出した点。磁気リコネクションは、宇宙ジェット、降着円盤、太陽フレア、地球惑星磁気圏など、宇宙では普遍的に発生する現象。
乱流も同様に自然界ではどこにでも観られる現象だ。今回のような「拡張乱流MHD方程式」を用いれば、比較的容易にプラズマ乱流を自己無撞着に(互いに矛盾なく)取り扱えることが示されたため、今後はリコネクション研究だけに留まらず、様々な宇宙プラズマ中での乱流研究が更に展開されると期待される。
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