筑波大、覚醒時の経験が、その後の 眠気 に大きな影響を及ぼすことを立証

筑波大学、国際統合睡眠医科学研究機構(International Institute for Integrative Sleep Medicine, IIIS)教授の柳沢正史氏らの研究グループは、異なる2つの方法で睡眠を6時間妨げたマウスを用いた実験により、眠気(眠りへの落ちやすさ)と睡眠デマンド(深い眠りへの入りやすさ)は必ずしも相関せず、それぞれ独立に制御されていること、眠気は起きている間の様々な経験により変動することを立証した。さらに、リン酸化プロテオーム解析により、眠気と睡眠デマンドにそれぞれ相関する中枢神経系の生化学的指標を同定することに成功した。

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これらの発見は、恒常的に必要な眠りの量が同程度となる条件下でも、睡眠前の覚醒時の様々な経験によって、“眠気”に多大な影響を及ぼすことを示唆している。このような我々が日常的に経験しうる明らかな現象が、現在まで、ヒトにおいても実験モデル動物においても行動科学的レベルで系統的に検証されてこなかったということは、驚くべきこと。眠気というものがどのように制御されているか、という神経科学分野の大きな根本的な謎に対して、本研究は重要な知見を与えるもの。

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