東大、膵臓手術で発生する「膵液の漏れ」を可視化する蛍光イメージング法を開発

東京大学医学部附属病院と医学系研究科の研究グループでは、膵液中の蛋白分解酵素(キモトリプシン)と反応して、速やかに緑色の蛍光を発するプローブを作成することに世界で初めて成功した。

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このプローブを、患者の膵臓の断端(手術でがんを切除した際の切り口)を転写した濾紙に噴霧し、濾紙に青色光を照射しながら黄色のフィルターを通して観察して、緑色に発光している部位があるかどうかを調べることで、膵液漏出の有無や漏出箇所を手術中に同定することができた。

さらに、手術後にドレーン(体液を体外に排出する管)から流出する体液中の蛋白分解酵素活性を測定することにより、膵液漏が重症化するリスクを評価することができた。

このプローブを患者の体内に直接噴霧することはまだできないが、上記の技術を応用することにより、手術中に膵液の漏出部位を閉鎖して膵液漏を予防することや膵液漏の重症度に応じて適切な術後管理を行うことが可能になると期待される。

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