東大、医薬品候補「BK-UM」の卵巣がんに対する医師主導治験

東京大学医科学研究所附属病院病院長の今井浩三氏、大阪大学微生物病研究所所長の目加田英輔氏、福岡大学医学部産婦人科教室教授の宮本新吾氏らの研究グループは、北海道大、東北大を含めた全国5大学とともに、再発・難治性卵巣がん患者を対象に、大学発の医薬品候補である「BK-UM」の有効性と安全性を評価する医師主導治験を開始する。

卵巣がんは、症状を自覚しにくいために進行してから診断されることが多く、治療後もいったん再発すると根治は困難なため、新薬開発が期待されている。

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このたびの治験で用いる医薬品候補は、ジフテリア菌由来の特異なたんぱく質「クリム197」。卵巣がんに対して増殖に働くHB-EGFの活性を阻害する作用を有して、抗腫瘍効果を発揮することが動物実験などで示されている。

治験対象者は、再発・難治例の患者で計64人を予定。当治験では、抗がん剤を投与する通常の治療を行うグループと、通常の治療に加え、「BK-UM(クリム197を主成分とする薬剤)」を腹腔内に投与するグループとに分けて、効果と安全性を比較する。このような大学発創薬と臨床開発を通じて、卵巣がん治療の選択肢が増えることが期待される。

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