東京大学大学院医学系研究科附属疾患生命工学センター分子病態医科学部門助教の中島克彦氏と教授の宮崎徹氏のグループは、遺伝子改変マウスを用いた研究から、造血多能性細胞の増殖を制御する新しい分子メカニズムを明らかにした。
ペプチジルアルギニンデイミナーゼ4(PAD4)によるクロマチン修飾は、様々な遺伝子を制御することが示唆されていたが、その生理機能はほとんど不明であった。 今回の研究成果により、PAD4は他の制御因子と複合体を形成し、がん遺伝子c-mycの上流に結合しクロマチンを修飾することでその発現を制御することを明らかにした。 また、遺伝子改変マウスを用いた解析から、PAD4は骨髄の造血多能性細胞の増殖を調節していることが明らかとなった。
今回の研究成果は、PAD4ががん抑制因子として機能することを示唆しており、白血病等の造血系疾患に対するPAD4を標的とした診断や治療の可能性が考えられる。
詳しくはこちら。