理研、セロトニン制御中枢である外側手綱核がレム睡眠の制御も担うことを発見

理化学研究所は、ラットを用いた電気生理学的解析により、うつ病関連物質セロトニンの活動を制御する「外側手綱核(たづなかく)」が、レム睡眠も制御することを発見した。これは、理研脳科学総合研究センター発生遺伝子制御研究チームチームリーダーの岡本仁氏、客員主管研究員の相澤秀紀氏と、脳回路機能理論研究チーム、神経回路・行動生理学研究チーム、および科学技術振興機構、東京医科歯科大学、玉川大学による共同研究グループの成果。

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共同研究グループは、外側手綱核が睡眠障害に関係すると考え、解明に挑んだ。外側手綱核を破壊したラットを用いて電気生理学的に脳の神経活動を測定した結果、レム睡眠の割合が約41%減少、1回のレム睡眠の長さが約24%減少することを見いだした。

また、野生型ラットを測定すると、外側手綱核はレム睡眠時に特徴的に表れる海馬の神経活動と同期して活動することを見いだした。

これらにより、外側手綱核はレム睡眠を維持しようとする機能を持つことが明らかになった。今後、うつ病患者における睡眠障害のメカニズム理解につながるものと期待できる。

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