九大、燃料電池の超高耐久化に成功

九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(I2CNER)/大学院工学研究院教授の中嶋直敏氏、准教授の藤ヶ谷剛彦氏、I2CNER特任助教(博士研究員)のMohamed R. Berber氏の研究グループは、高分子酸でコートした加湿無しで駆動する新しいタイプの高温PEFCを開発し、これが超高耐久性を示すことを見出した。

燃料電池はクリーンでエネルギー効率が高く、かつコンパクトであることから、車や家庭用電源への本格的導入を目指し多くの研究開発が行なわれている。しかし、普及には更なるコストの削減、効率や耐久性の向上が必要。これまでの固体高分子形燃料電池(PEFC)では耐久性改善が要求されてきた。

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耐久性試験の結果、高分子化酸を用いることで、燃料電池の寿命が飛躍的に向上することが明らかとなった。電池の長寿命化は低コスト化と同じ効果があるため、結果的に低コスト化が実現できたことになる。中/高温型にすることで、燃料電池システムのうち冷却器や加湿器にかかるコスト分で10%のコスト削減が可能。また、水素もこれまでのような純度を必要とせず、白金以外の金属も触媒活性を示すことから、様々な面において低コスト化可能な技術と言える。さらに、これまで中/高温型PEFCの弱点であった室温付における発電も実現できた。

これにより、現在市販されている燃料電池の代替も十分可能と考えられる。

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