生理研、レプチンによる糖代謝調節機構を明らかに

生理学研究所生殖・内分泌系発達機構研究部門研究員の戸田氏は、骨格筋と肝臓での糖代謝を調節する視床下部におけるレプチンの作用機構を明らかにした。

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レプチンは、視床下部の中でも、特に視床下部腹内側核(VMH)ニューロンに作用を及ぼし、タンパク質であるSTAT3とERK1/2を活性化する。戸田氏は、無麻酔、非拘束下のマウスにおいて、レプチンによる糖代謝調節機構を、Hyperinsulinemic-Euglycemic clamp法という解析技術を用いて調べた。

その結果、全身に投与したレプチンは、VMHニューロンに直接作用してERK1/2とSTAT3を活性化し、これらのタンパク質がそれぞれ、骨格筋と肝臓におけるインスリンによる糖代謝調節作用(インスリン感受性)を高めることを見出した。レプチンは、ERK1/2やSTAT3を介してVMHにおけるシナプス可塑性を変化させることにより、骨格筋と肝臓での糖代謝を制御すると考えられる。

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