大阪大,口蓋突起の遺伝子発現のデータベースを作成,強く発現する細胞接着因子を発見

大阪大学大学院歯学研究科教授の阪井氏らの研究グループは,マウスの口蓋が完成する前後の口蓋突起の遺伝子発現のデータベースを作成し,その中から強く発現する細胞接着因子CEACAM1を発見した。

胎生期において,左右の突起が顔の正中で接着し,癒合することにより,口と顔の中心部が形成されることが知られているが,CEACAM1の発現を抑制すると口蓋の癒合が阻害され,遺伝子を欠如させると口蓋癒合が遅れる。CEACAM1の発現は,TGF beta(Transforming growth factor beta)という増殖因子によって調節されており,口や顔面の形成における口蓋突起の初期接着に重要な働きをしていることが明らかになった。

無題
正常に癒合したマウスの口蓋を示す。癒合部では、緑色の上皮組織は消失している。
無題2
CEACAM1を欠如したマウスの口蓋癒合が阻害されている様子を示す。癒合が完成せず、緑色の上皮組織が残存している。

この研究成果により,口唇裂・口蓋裂などの形成異常を予防・治療するための研究が進展すると期待される。

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