2013年3月20日発表(米国カリフォルニア州サンタクララ)—MEA(中東およびアフリカ)地域のPV需要が2013年に1GW到達の見通しであることが,NPD Solarbuzzの最新刊「Middle East and Africa PV Market Reportで明らかになった。136MW だった2012年需要から625%の増加である。
同社アナリストのSusanne von Aichbergerは「歴史的に見て世界のPV市場のなかでも他に遅れを取っていたMEA地域だが,ここへ来て追い上げ始めている。同地域のPV需要は2017年には年間3.7GWに達する見通しで,最高9GWに到達する可能性もある」と述べている。 MEA地域は非常に高い日照レベルの恩恵を受けられるが,PV推進はこれまで,おもに開発プロジェクトに限定されてきた。実際,同地域には世界人口の17%が集中しているにも関わらず,2012年時点では世界PV需要のわずか0.5%しか占めていない。
近年,MEA地域では意欲的な資金調達スキームの導入によってPV活用が大幅に拡大しており,特に南アフリカやイスラエル,サウジアラビアでこうした動きが注目されている。そのため同地域のPV需要はいま急成長が予想されており,2017年には世界全体の6%を占めると見られている。 当面は,2012年にREIPPP(Renewable Energy Independent Power Producer Program,再生可能エネルギー独立系発電事業プログラム)の最初の2回の入札ラウンドを終えた南アフリカがMEA地域最大のPV市場になると見られている。
このプログラムからはすでに1GWの導入予定PVプロジェクトが生まれており,2014年末までに設置が進められることになっている。最終的な新規PV容量は1.45GWになる見通しだ。 2013年の同地域第二の市場になるとみられるのがイスラエルで,PV導入ノルマや入札,また新たに実施されるネットメタリングなどが推進要因となっている。イスラエルと南アフリカを合わせると,今年のMEA地域PV需要の80%以上を占めることになりそうだ。
サウジアラビアのPV向け財源は,2032年までに16GWのPV容量実現を目標とする再生可能エネルギー購入計画に基づいている。2013年のMEA地域PV需要に占めるサウジアラビアの割合は5%にとどまる見通しだが,2017年には同地域最大のPV市場に成長すると予想される。 今後5年間で,MEA地域の多くの国が世界のPV需要に寄与し始めるようになると見られ,イスラエル,サウジアラビア,南アフリカのシェアは50%を下回ることになるだろう。2017年にはMEA地域PV需要のうち70%以上を地上設置型が占めるようになると,NPD Solarbuzzは予想している。
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