富士通研究所は,CPU間の大容量データ伝送を実現するために必要となる光送受信器用のシリコンフォトニクス技術を用いた4波長集積レーザを開発した。
今回,リング共振器が持つ周期的な透過特性を利用して各波長を広い間隔で均一に生成することに成功した。また,シリコン基板上の複数の光配線と光増幅素子を高精度に接続する実装技術により接続時の損失を低減。これらにより,12±0.5nmの広くかつ均一な波長間隔の4波長で発振し,+5dBmの高出力なシリコン集積レーザを実証した。
リング共振器を周期的な透過特性を持つ波長フィルターとして動作させる,レーザ発振波長制御技術や,光増幅素子をシリコン上の光導波路に誤差±0.5マイクロメートル以内で高精度に直接貼り合わせて搭載することで,光増幅素子とシリコン共振器の接続時の損失を低減する低損失光増幅器結合技術の開発による成果。
この技術を用いた光送信器を1チップに多数集積することにより,CPUモジュールに搭載可能なサイズで,毎秒数テラビット級の大容量光データ伝送を実現することが可能になる。将来のエクサフロップス級スパコンやハイエンドサーバに必要なCPU間の大容量データ伝送を実現することが可能となり,超高速コンピュータの実現が期待される。
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