海洋研究開発機構海洋工学センター海洋技術開発部の浅川氏と渡邊氏らのグループは、小型・軽量化と運用効率の大幅な向上により観測体制の拡充を容易にする「大規模展開型海底地震計」、これまでその多くが地震観測空白域であった海溝軸付近の大水深海域での観測を可能とする「超深海型海底地震計」の2機種を新たに開発し、平成24年12月10日から平成25年1月18日まで実施した宮城県沖日本海溝海域における地震観測航海において、これらの海底地震計の設置・回収と観測データの取得を行ない、所定の性能を満たすことを確認した。
「大規模展開型海底地震計」は、日本海洋事業と共同で次世代型の海底地震計として開発し、小型化や非接触電力伝送技術など様々な新技術を取り入れることで、これまでと同等の航海日数、運用人員で、従来の4~5倍の台数の海底地震計を効率的に運用することが可能となり、高分解能観測を行なうことができる。
「超深海型海底地震計」は、海洋研究開発機構が平成22年度までに京セラと共同で開発したセラミックス製の耐圧容器を従来型の海底地震計に適用することで開発した。これにより水深11,000mの海底最深部まで設置することが可能となり、地球上の全ての海域で海底地震計による観測を行なうことができる。
今後、これまで充分な観測データが得られなかった海域での観測を実施し、さらに高度に拡充された観測体制の構築を行なうことで、より詳細で正確な地震メカニズムの解明に資するデータを取得し、防災、減災への的確な対応に貢献する。
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