豊橋技術科学大学エレクトロニクス先端融合研究所特任助教の広瀬侑氏と東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻教授の池内昌彦氏、カリフォルニア大学教授のJ.C. Lagarias氏らは藍藻類(シアノバクテリア)が効率よく光合成を行なうための分子光スイッチの作動機構を、世界で初めて解明した。
今回解明した新しい光感知機構を遺伝子工学と組み合わせることで、多様な色の光を受容する新規光受容体を創出できる可能性が高まり、光合成による高効率バイオマス生産に向けた応用が期待できる。
陸上植物はおもに青色光と赤色光を用いて光合成するが、シアノバクテリアは、これに加えて緑色光や黄色光など水環境で豊富に得られる光エネルギーを利用して光合成をする。ある種のシアノバクテリアは、周囲に緑色光が多いときは緑色光を吸収する光合成色素タンパク質(フィコエリスリン)をつくり、逆に、赤色光が多いときには赤色光を吸収する光合成色素タンパク質(フィコシアニン)をつくることで、効率よく光合成を行なう。この現象は100年以上前から知られていたが、ながらくその光感知機構は不明だった。
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