NTTと東京工業大学は,電子の移動度が高いなどの特性から近年注目されているグラフェンを利用することにより,電子の波であるプラズモンの伝搬速度を2桁にわたり制御できることを世界で初めて実証した。
従来,プラズモンの研究では金属が用いられていたが,研究グループは,グラフェンに着目し電子密度等を変化させることにより伝搬速度制御を可能とした。具体的には,大面積かつ高品位のグラフェンを作製する技術と時間分解伝導測定技術を組み合わせることにより,マイクロ波領域(~10 GHz)におけるプラズモンの伝搬速度を数10~数1 000 km/sという非常に大きな範囲にわたり変調することに成功した。
この成果を用いることにより,光信号をプラズモンの形でナノメートルサイズに閉じ込め制御することが可能となる。将来的には,チップ内の電子回路をプラズモン回路に置き換えることでコンピュータやネットワーク機器の大幅な高速化・低消費電力化ができると期待される。
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