無人観測航空機,南極で初の高度 10km からの自動帰還に成功

第54次日本南極地域観測隊において,1月30日夕方(現地時間),小型無人観測航空機(Phoenix(フェニックス)3 号機)を気球で懸吊することにより,地上から高度 10kmまでのエアロゾル採取,上空からのハイビジョン動画撮影に世界で初めて成功した.

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小型無人観測航空機の推力だけでは到達できなかった高高度まで気球を利用して上昇し,目的の高度で気球から分離,滑空飛行によって昭和基地沖の氷上に自動帰還するという新しいアイデアによる観測プラットフォームが構築された.今回の高度は日本南極地域観測隊が過去に実施した有人航空機による観測最高高度(約8km)をも超えた記録となった.

この観測は南極観測の技術的課題の解決を目指した国立極地研究所の萌芽研究として,エアロゾル観測を推進する福岡大学と小型無人観測航空機の技術を持つ九州大学の共同チームを母体として実施された.高高度の貴重なデータを短時間で安全に取得できるようになったほか,高価な観測機器の回収ができるようになった.

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