京大,DNA二重らせんおよびその微細構造の直接イメージングに成功

京都大学工学研究科准教授の山田啓文氏,産官学連携本部助教の小林圭氏らのグループは,溶液中で動作可能な高分解能原子間力顕微鏡(AFM)を用いて,細菌由来のDNAを観察し,その二重らせんおよび微細構造を水溶液中で非破壊に観察することに,世界で初めて成功した。

研究グループが開発した,周波数変調(FM)原子間力顕微鏡(FM-AFM)は,液体中で探針と試料との間に働く微弱な力を検出することが可能で,探針と試料が非接触の状態で動作するため,DNA分子の水溶液中の自然な構造を破壊することなく,ナノスケールで観察することが可能となった。

無題

今回研究チームはDNAの二重らせんだけでなく,DNA分子の平均的な構造からの局所的な違いをも浮き彫りにすることに成功。さらに,従来のAFMでは観察不可能であった,DNA二重らせん構造の骨格を構成している個々の官能基 (リン酸基) を明瞭に分解して,高分解能水中FM-AFM観察することにも成功した。今後,「生きたまま」ナノスケール構造計測などへの応用に強く期待できる。

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