国立精神・神経医療研究センター(NCNP)神経研究所の免疫研究部部長の山村隆氏,同室長の大木伸司氏,研究員のベン・レイバニー氏らの研究グループは,日本において患者数が急速に増加しつつある,多発性硬化症(MS)の新しい治療法の開発につながる,発症メカニズムの解明と病態改善の手がかりを発見した。
研究グループは,MSの原因物質サイトカイン(インターロイキン17:IL-17)の分泌に「NR4A2」というタンパク質がかかわっていることを明らかにしてきたが,今回の研究では,この炎症性サイトカイン(IL-17)の産生がNR4A2によって制御されるメカニズムを解明するとともに、生体内におけるNR4A2の機能を抑制することにより病態を顕著に改善できることを明らかにした。
この成果は,化学的に安定した薬を開発する上で極めて意義が高く,今後,病原性T細胞を標的としたMSの新しい治療法に繋がるもの。
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