名古屋大学大学院環境学研究科准教授の北神慎司氏と,カリフォルニア大学ロサンゼルス校研究員の村山航氏は,金銭的報酬がもらえる課題を行なうと,その課題を実施する前に見た,金銭的報酬とは全く無関係な写真の記憶が促進されることを立証した。
実験参加者は写真を受動的に呈示され,そのあとに成功すると報酬がもらえるゲーム課題と,報酬がもらえない課題のどちらかをすることを求められた。そして,一週間後に写真に対する抜き打ちの記憶テストを実施されると,報酬がもらえるゲーム課題の直前に呈示された写真の記憶が,報酬がもらえない課題直前に呈示された写真の記憶より,一週間後に高まっていたという。
お金がモティベーションを高める以外にも作用することを示し,これまで直接的な証拠がなかった脳内における報酬系と記憶系との増強関係を,はじめて実証したもの。
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