パナソニックは,次世代高速無線通信として60GHz帯を用いるミリ波ギガビット無線チップの量産化に向け,安定して無線回路性能を最大に引き出す技術を開発した。
具体的には,無線チップに自動的にばらつきを補正する機能を搭載し,無線で搬送可能な形に信号変調する精度を1.5倍以上に高めて動作マージンが少ない設計を可能とし,1W以下の低消費電力で安定した通信性能が得られるようになった。また,この無線チップを小型モジュールに集積化したことで,モバイル機器への搭載が容易になる。
ばらつき補正に必要となる複数の回路ブロックを共通化した自立型送受キャリブレーション技術と,新たな演算処理アルゴリズムを適用し,さらに回路規模を大幅に削減した超低消費電力周波数領域等化技術を用い,以下を実現した。
1.ミリ波無線回路の性能を最大限に発揮させる、ばらつき自動補正機能を無線チップ自体に搭載
2.受信信号の劣化を補償しつつ、消費電力を50%以上削減する信号処理回路を内蔵
3.無線チップと送受信アンテナを小型モジュールに集積化(サイズ:10mm角)。
従来のミリ波無線回路では,性能ばらつきを補うために動作マージンをとった設計が必要で、モバイル機器向けに消費電力を低減した実用例がこれまでなかった。
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