JAXAら,宇宙線陽子が超新星残骸で生成することの決定的な証拠を発見

JAXAと京大の研究チームは,宇宙線陽子が超新星残骸で生成することの決定的な証拠を見つけたと発表した。日本・アメリカ・フランス・イタリア・スウェーデンの協力で開発された「フェルミ・ガンマ線宇宙望遠鏡」を用い,2つの超新星残骸について4年分のデータを解析した成果。1912年の発見以来の発見となるもの。

高エネルギーの陽子や原子核が周囲のガスと衝突すると「中性パイ中間子」が生成し,それがすぐに崩壊して特有なエネルギーのガンマ線を出す。超新星残骸からこの特徴的な放射が観測されれば,それは宇宙線の陽子成分が超新星残骸で生成することの決定的な証拠となる。今回,フェルミ・ガンマ線宇宙望遠鏡のデータ解析方法の改良や較正の精度向上などが進んだことで,観測がはじめて可能となったという。