三菱重工とJAXA,放射性物質を可視化するカメラを開発

 三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は共同で,放射性物質の分布状況を可視化する特殊なカメラ装置のプロトタイプを開発したと発表した。

 これはJAXAが中心となって開発に成功した超広角コンプトンカメラをベースに改良したもので,感度・画像・視野角などに優れた性能を実現した。超広角コンプトンカメラはJAXAが中心となって三菱重工と共同で開発を進めてきた衛星搭載用ガンマ線検出器の技術を応用したものだが,JAXAと日本原子力研究開発機構はこの2月に,このカメラが地上での放射性物質の分布の可視化に非常に有効であることを実証しており,この実証が今回の「放射性物質見える化カメラ」開発の起点となった。試作したカメラは,放射線の飛来方向とそのエネルギー(波長)をリアルタイムで同時に測定可能で,放射性セシウム134(Cs-134),同137(Cs-137),放射性ヨウ素(I-131)など,ガンマ線を放出する物質の識別が可能となっている。

三菱重工