アイシン精機の子会社で,フェムト秒レーザを手掛けるイムラアメリカは,フェムト秒レーザの自動車応用として,レーザ加工によるミラー警告灯の製作を提案している。ミラー警告灯とは,車線変更時に左右後方のミラーの死角内に別の車両が走行している場合,これをレーダ等で検知し,ミラーに内蔵した警告灯を点灯してドライバーに注意を促すもので,一部の高級車で採用されている。 参考(メルセデスベンツのアクティブブラインドスポットアシストシステム)
この警告灯はミラーの下に小型のLCDを設置しているため,大衆車に普及するためにはコスト的な問題があるが,イムラアメリカが提案するのはフェムト秒レーザでミラー裏側の反射面にスリットを入れるというもの。スリットの下にLEDを置くだけで警告灯を実現できるので設置コストが大幅に削減できるとしている。
使用したのはパルス時間幅400fs,繰り返し周波数100kHz,波長1045nm,平均出力1Wのフェムト秒レーザ。これにより幅10㎛のスリットをガラスの反射面に作製した。フェムト秒レーザの熱影響を抑えた加工により,ガラス面に影響を与えない加工が可能だとしている。またLEDはLCDに対して信頼性,耐久性に優れるという長所もある。