日板,微細貫通穴ガラス基板を開発

日本板硝子は,微細貫通穴ガラス基板(TGV:Through Glass Via、以下「TGV」)の開発に成功した(ニュースリリース)。

TGVは厚さ0.1〜1mm程度の薄いガラス基板に直径数10〜100㎛の微細な貫通穴を超高密度で開けたガラス基板で,次世代の電子基板材料として注目を集めている。

近年のスマートフォンの普及による大容量のビデオデータ利用拡大に加えて,スマートメガネ,スマートウォッチ等の小型電子デバイスの利用シーンも増加し,電子機器に求められる薄型,高速通信,低消費電力といったニーズは益々強いものとなっている。ガラスは,平滑な表面形状,熱的安定性,電気絶縁性,透明性などの特性を有しており,高性能化を求める電子基板材料として適している。

一方,微細な多数の貫通穴加工は,これまでドリルやレーザーなどの加工方法が一般的だったが,これらの方法でガラスを加工するとガラス基板が割れたり,貫通穴形状が不均一になったり,実用的な加工速度が得られずに高コストになるなど多くの課題があった。

同社は,これまで培った独自の技術と経験を元に,実装基板(GIP)に適したガラス材料と高品位な穴形状を形成する実用的な加工技術を同時に開発した。今後,TGVが次世代の電子基板材料として採用されるよう,提案と実用化に向けた準備を進めていくとしている。

その他関連ニュース

  • 【interOpto2024】ソーラボジャパン,超高感度センシング向け表面増強ラマン分光(SERS)用基板 2024年10月31日
  • Neg,ナトリウムイオン二次電池のサンプル出荷開始 2024年08月21日
  • 京大ら,ガラスに潜む秩序を抽出して可視化に成功 2024年07月29日
  • NSGと松竹,透明LEDビジョンの試験放映を開始 2024年07月17日
  • 【OPK】一台のカメラで上下左右から撮影できる光学素子 2024年07月17日
  • 【OPK】ガラス製ならではの特長を備えた光学素子 2024年07月17日
  • 信越化学,半導体パッケージ基板製造装置と工法開発 2024年06月20日
  • 日本電気硝子,ガラスセラミックスコア基板を開発 2024年06月05日