キヤノンオプトロンは,新たに屋外環境での耐久性が向上したリン酸カルシウム系の親水コーティング材料「HPシリーズ」を開発した(ニュースリリース)。光技術総合展示会「OPIE’17」の「レンズ設計製造展」にて展示する(ブースNo.K-21)。
前回リリースした材料と合わせて,リン酸カルシウム系の親水コーティング材料をシリーズ化し,幅広い顧客への対応を可能にした。
これまでのリン酸カルシウム系の親水コーティング材料「HP-1」は,初期親水性や耐摩耗性は良好だったが,自然乾燥により水跡が発生してしまうケースがあり,屋外環境を想定した繰り返し使用での懸念があった。そこで同社は,さらなる用途拡大の為,屋外を想定した繰り返し使用でも親水効果を発揮できる材料開発を進めてきた。
今回開発した製品は,屋外環境を想定した自然乾燥による水跡は軽減しており,屋外での使用も可能だとしている。また「HP-1」と同様に,光触媒のように表面を活性化させるための太陽光などを必要とせず,暗所でも効果を発揮できるものとなっている。
この開発品が完成したことで,3種類の製品を目的や用途に応じて提供できるようになり,ネットワークカメラのレンズカバーをはじめゴーグルや眼鏡,ミラーなど,水滴による視界不良が問題となりうるさまざまな製品への展開を見込んでいる。
なお,この製品は2017年5月にサンプル提供を開始し,7月より販売を開始する予定。