慶應義塾大学や米国パデュー大学(PurdueUniversity)の学生を中心としたTeam Kanauは,8月9日に行なわれた非営利団体インスピレーション・マーズ財団のミッションデザイン国際学生コンテストにて優勝し,世界各国から参加した38 チームの頂点に立った(ニュースリリース)。
このコンテストは,2018 年に男女1 人ずつを宇宙船にのせて地球から火星へ向かい,なるべく安くシンプルにそして安全に火星を周回して地球に帰還させるというミッションの設計内容を競い合うもの。
予選では設計したミッションの案を50 ページ以内のレポートにまとめた上で提出し,参加した38 チームから10 チームのファイナリストが選出された。そして8月9日にヒューストンにおいて,NASA の次期有人宇宙船オリオンのプログラムマネージャらの審査員を前にして,最終プレゼンテーションを行なった。
宇宙船に搭乗するクルーの精神的ケアを考慮したインテリアデザインや,地球帰還の際に必要な宇宙船のスピード減速や貯蔵と冗長系を組み合わせた各サブシステム生命維持システムなどのシステムデザインにユニークな特徴をだし,技術成熟度・コスト・スケジュールを考えた上で,2018 年の打上げが実現可能なミッションプランを国際協力チームで提案したことが評価された。
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