北大,光と運動による生体リズム調節の方法を発見

北海道大学の研究グループは,明るい光の下での身体運動が,睡眠だけでなく体内時計の調節にも有効なことを突き止めた(ニュースリリース)。

ヒトの睡眠と覚醒には,24 時間の周期で繰り返されるリズムがある。このリズムは,通常は体内のリズム発振装置である「生物時計」で調節されているが,時差飛行などで急激に生活リズムを変化させたときには,生物時計の支配から一時的に外れる。

そのとき,生物時計に強く支配されている体温リズムやホルモンリズムと睡眠覚醒リズムとの間にかい離が起こる。このかい離が時差ボケの原因となる。ヒトの生物時計は数千ルクス以上の明るい光によって調節することができ,照明をタイミングよく使うことによって体内時計を速やかに適切な時間にセットすることができる。

以前,研究グループは実験室内で時差飛行を模倣して,適切な時間の身体運動が睡眠覚醒リズムをすばやく目的地の時刻に合わせることを報告した。しかし,身体運動は生物時計には効果はなく,睡眠覚醒リズムと生物時計のかい離を解消するには至らなかった。

今回,身体運動を行うと同時に明るい光を当てることで,生物時計も目的地の時刻に素早くリセットさせることに成功した。明るい光を浴びただけではこの効果はないので,適切な時刻の身体運動が重要であると結論した。明るい光だけでも,細かなスケジュールを組むことによって同様の効果を引き出すことは可能だが,今回の研究でそのような手間をかける必要がないことも判明した。

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