東日本大震災より2年が経過したが、福島第一原子力発電所事故に伴い飛散した放射性物質の影響は国民生活の様々な側面に大きな影響を与えており、土壌などの環境試料や食品中の放射性物質の量を正確かつ迅速に測定する技術の開発は、放射線計測分野に求められている火急の使命となってきた。
日本分析化学会では、原発事故対応支援を考慮した放射能分析用土壌認証標準物質の供給を2012年6月1日に開始し、さらに被災地や行政などの社会。ーズに応えた放射能標準物質を開発するため、JST 先端計測分析技術・機器開発プログラム「放射線計測領域」の採択課題で食品関連の標準物質開発を継続・促進している。
今回、同プログラムの一環として、放射能分析用牛肉認証標準物質を開発。放射性物質で汚染した牛肉を、ミートチョッパーを用いてミンチ状にした後、凍結乾燥、粉砕、篩分けした。それらの牛肉を合わせて縦型ミキサーで140rpm、1時間の条件で混合して32kgのフレーク状試料を作製しました。この候補標準物質を約50g入り;320袋及び約500g入り;29袋のポリエチレン袋にそれぞれ入れた後シールし、電子線による滅菌を行っている。
この中からランダムに選んだ12試料の134Cs、137Cs及び40Kを放射能測。して均質性試験を行いました。その結果、作製した候補標準物質は十分均質であることが示され、評価された均質性の値は合成標準不確かさに含んでいます。
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