脱炭素社会へのスピーディーな切替えが求められている今、エネルギーの確保と安定供給は極めて重要な課題となっています。将来のエネルギーとして期待されている自然エネルギーを更に有効かつ安定的に供給するためには、効率的な発電デバイスおよび蓄電デバイスの開発やこれらを一体化出来るシステムの構築が望まれています。本講演会では、発電や蓄電に貢献する次世代の高分子材料やエネルギーデバイスについて、最新の研究・開発動向を企業やアカデミアの研究者からご紹介いただきます。
<10:20-11:10>
1.未来を照らすグリーンエネルギーデバイス(革新電池)の現状
(東京都立大学) 金村 聖志
電気自動車用あるいは再生可能エネルギー用の蓄電デバイスとして電池が注目されている。次世代の革新電池に対してより大きなエネルギー密度や出力密度が期待されている。特に、電池製造時の二酸化炭素の削減や電池の低コスト化のため、より大きなエネルギー密度を有する蓄電池の具現が急務である。本発表では、JSTのALCA-Springプロジェクトで実施された革新電池の内容を中心にその現状について紹介する。
<11:10-12:00>
2.再生可能エネルギーの大規模利用と高耐久アニオン交換膜型水電解の開発
(東京工業大学) 山口 猛央
大規模に再生可能エネルギーを使用するには、貴金属を使用せず、高効率なアニオン交換膜型水電解技術が期待されている。アニオン交換膜の分解機構から高耐久アニオン交換膜の設計指針を見い出し、開発に成功した。インフォマティクスを用いた卑金属触媒の開発と合わせ紹介する。
<13:20-14:10>
3.ペロブスカイト太陽電池の可能性と材料設計
(桐蔭横浜大学) 宮坂 力
ペロブスカイト半導体を用いる太陽電池の特長を解説し、光電変換における高電圧の出力を屋内での高効率の発電に応用する技術を紹介する。
<14:10-15:00>
4.低炭素社会貢献に向けたインターカレーション金属有機構造体電極材開発
(豊田中央研究所) 荻原 信宏
低炭素社会貢献に向けて、新たな電極材料であるLiインターカレーション型の金属有機構造体材料(iMOF)を開発した。本講演では、技術的背景を踏まえた材料設計とデバイス化への一連の取組みについて紹介する。
<15:20-16:10>
5.硫化物系小型全固体電池の開発
(マクセル) 片山 秀昭
硫化物系無機固体電解質は、有機電解液系を上回るリチウムイオン伝導性を示すものが発見され、リチウムイオン電池への適用が期待されている。本講演では、現在開発中の硫化物系無機固体電解質を用いた小型全固体電池について、その特徴、特性などを紹介する。
<16:10-17:00>
6.HAPS向け次世代電池の最新開発状況
(ソフトバンク) 齊藤 貴也
成層圏通信プラットフォーム(HAPS)を始めとする空飛ぶデバイスにおいては、電池の軽量化は飛行性能を左右する重要なファクターとなる。本講演では、弊社の軽量化に特化した次世代電池の材料からパックまでの開発状況を紹介する。
- 定員:
- 300名
- URL:
- https://member.spsj.or.jp/event/index.php?id=437
お問合せ先: 公益社団法人高分子学会 22-6ポリマーフロンティア21係 〒104-0042 東京都中央区入船3-10-9 新富町ビル6F
TEL: 03-5540-3771
FAX: 03-5540-3737