月刊OPTRONICS 特集序文公開

100 万画素Type Ⅱ超格子赤外線検出器開発と宇宙実証検討

著者:(国研)宇宙航空研究開発機構 下村 啓

1 はじめに

宇宙からのリモートセンシングでは紫外から電波まで多岐に渡る波長域にて観測しており,観測される画像はその波長に応じた特性を有する。おおよそ波長1 μmあたりから15 μm弱にわたる赤外線領域では,地表面および大気からの赤外線輻射エネルギーの総和を強度分布として観測する。3 μm以下の近赤外域(0.7-1.1 μm)や短波長赤外域(1.1-3.0 μm)では主に対象物からの太陽反射光を観測するのに対し,3 μmより長波長となる中間赤外域(3-5 μm)や長波長赤外域(8-12 μmもしくは8-14 μm)では地表物体や大気から放射される熱赤外線が支配的になる。そのため,3 μmよりも長波長域では観測データに適切な大気補正をすることで地表面の温度や放射率が取得できる他,太陽光の当たらない夜間でも観測が可能であり,気象,環境,防災,防衛用途など様々な分野で活用されている。一方で,近赤外・短波長赤外域に比べて長波長であり空間分解能は>100 mであることが一般的である。気象観測や環境モニタリングに利用される場合,分解能よりも観測頻度を優先することも多いため必ずしも高分解能観測は必要とされないが,今後,防衛用途でのより高分解能な観測,都市部の温度モニタリング,農業利用など新たな赤外線観測ミッションを目指すに当たっては小型画素ピッチで高感度,かつ高い応答速度の赤外線検出器が求められる。宇宙航空研究開発機構(以降,JAXA)では次世代の地球観測衛星への搭載を見据えてType Ⅱ超格子赤外線検出器(Type Ⅱ Superlattice;T2SL)の開発を進めており,本稿ではその開発状況について紹介する。

【月刊OPTRONICS掲載記事】続きを読みたい方は下記のリンクより月刊誌をご購入ください。

本号の購入はこちら

新着ニュース

人気記事

編集部おすすめ

  • オプトキャリア