2024(R. 6)年ももうすぐ2025(R. 7)年にバトンタッチです。今年は新年早々に大地震が起こり,夏は記録破りの暑さでゲリラ豪雨や雷がいつも以上に続きました。また,円安が続いていたかと思うと急変するなど,あらゆる面で先が見え難い年でした。今回はそんな1年を知財の分野で気になった話題をオムニバス風に振り返ってみました。
[1]生成AIに振り回された知的財産権
OpenAI社のChatGPTが2022年11月にプロトタイプとして公開されて以降,驚きと期待が入り混じりながら世界中を駆け巡りました。クリエーターと称される分野の人達は職を奪われると訴え,著作物のオリジナリティに関する懸念がクローズアップされました。更に,悪用される裏技術も問題です。2023年には欧州議会で「AI法案」が採択され,米国大統領令が出されるなどの動きがあり,日本は「知的財産推進計画2023」の中で具体的なルール作りを進めるとしていました。
そして今年になって,EUの「AI法案」は5月に承認され,事業者に対するルールが定められました。米国での大統領令に基づく動きは,規則よりイノベーションの促進を優先しているようです。日本では2023(R. 5)年に開催された広島サミットで,米政府とAI企業7社が契約した内容をベースにしたとされる「広島AIプロセス」に沿って進められています。一方で生成AIは著しい進展を見せています。規制やルール作りが常に後追いしているのもやむを得ないのでしょうか…。
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