今年正月の能登半島地震では大きな被害がありました。地震や台風などが多い国では特にそうですが,建物や橋梁が災害によって被害を受けた経験などから構造物の耐力が向上してきたといえそうです。今回は倒壊を繰り返しながらも大型化が進んだ近代の橋を追ってみました。
自然倒木を利用して川を渡っていた頃は別にして,人類は石を加工したり伐採した木や蔓を利用したりして橋を作ってきました。又,B.C. 5~B.C. 4世紀にバビロンや中国で石の桁橋が作られ,メソポタミアでは石造アーチ橋が架けられ,それらの技術は広く使われるようになります。その後,ガリレオ・ガリレイ(1564−1642)が梁の長さと断面の形状から,その先端に掛けられる重さとの関係を1638年に出版した『新科学対話』の中で示しています。梁の形に似た橋の強度計算ができるようになったという訳です。しかしその内容は正確ではないことが後に判明します。英国のロバート・フック(1635−1703)が1660年に提唱した「フックの法則」などから次第に明確になったのです。因みに,当時は経験則を基に余裕ある設計をしていたことやガリレイの式では実際より強く評価されていたことなどで実害はなかったようです。
この続きをお読みになりたい方は
読者の方はログインしてください。読者でない方はこちらのフォームから登録を行ってください。