永久磁石の変遷

地球が大きな磁石でもあることは解っていても,しばらく前に千葉県の“チバニアン”のニュースで“N極とS極が360万年間に少なくとも11回も繰り返していた…”なんてことを聞いた時は驚きでした。そんな年を経るような磁石では特許に繋がりませんが,今回は身近な永久磁石に目を向けてみました。

天然磁石の発見に関しては,古代ギリシアのプラトン(B.C.427-347)が著書『イオン』で“マグネシア地方で発見された”と書いており,ローマ帝国の博物学者ガイウス・プリニウス(A.D.23-79)の著書『博物誌』には“羊飼いのマグネス少年が発見した”と解説しています。諸説あるようですが,何れにしても後に“Magnet”と呼ばれるようになるのです。

一方,B.C.3世紀の古代中国で書かれた『呂氏春秋』などに“慈石”の記述があるそうです。引き寄せられる鉄が慈母に寄り添う赤子のようだとして造られた言葉だそうです。良質の磁石が採れた地域を慈州と呼ぶようになるのですが,他に同名の地域があったことから石偏の“磁州”になり,“慈石”は“磁石”と書くようになったとか…。

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