電卓は日本発のヒット商品かと思っていたら,それより以前に英国の製品があったと知りました。電卓は“電子式卓上計算機”の略語となりますが,単に“計算機”と言うとコンピュータ(電子計算機)と,カリキュレーター(計算機械)の双方に繋がるので混同しがちです。以下,後者の電子式卓上計算機の黎明期を追ってみました。
計算機械の発明としては,フランスのブレーズ・パスカル(1623−1662)が考案したダイヤルと歯車で加減算をする機械式計算機がありました。10年の歳月を掛けて1642年に創り上げた「パスカリーヌ」です。その30年後にドイツのゴットフリート・ライプニッツ(1646−1716)が改良を加えて加減乗除まで可能なハンドル式の計算機を作っています。その後も多くの人達が様々な考案をしています。そして,19世紀後半になると,日本では“タイガー計算機”として知られ“Addiator”や“Comptmater”と呼ばれる手回し式の機械式計算機が広く使われ始めます。更に,そんな機構を電気で駆動する方式が現れ,継電器(リレー)が使われるなどの変化も起こりました。
この続きをお読みになりたい方は
読者の方はログインしてください。読者でない方はこちらのフォームから登録を行ってください。