寺田寅彦

9月1日は防災の日です。「災害は忘れられたる頃きたる」と言ったとされる寺田寅彦(1878−1935)は,文学者であり科学者であり,芸術にも造詣が深くヴァイオリンやチェロなども弾いていました。今回はそんな多才な寺田寅彦の科学者としての側面を追ってみました。

寅彦は1878(M. 11)年11月28日,寅年の寅の日に当時の東京市麹町で生まれています。父は土佐藩の普請方や勘定方などの役を務め,明治維新後には官軍司令部の要職に就いていました。仕事は地方転勤も多く,幼少時の寅彦は土佐の祖父母の元で暮らしていました。後に一家は東京で暮らすことになりますが,父の退役に伴い再び土佐に戻ります。中佐相当官の退職金や恩給で,物価の安い土佐では結構裕福な生活だったようです。


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