設計特論10—偏光—

5.7 偏光

偏光は異方性のある結晶や偏光子を使わないと検出できない現象で研究スタートが比較的遅れた分野である。しかし現在,偏光サングラスは極めてポピュラーな存在となり,偏光顕微鏡を始めとする観察への応用以外でも,偏光は光学の極めて重要な制御パラメーとなっている。干渉計のように自由にビームを分岐,再結合させる系では偏光を自在に扱うことが必須である。結像でもNAが小さい場合はスカラー理論で扱えるが,NAが大きくなると偏光を考慮しなければならない。

5.7.1 Fresnel反射

物体の反射は光学の教科書で最初に記述される特性で,Fresnelの式によって記述される。結果のみ記すと次のようになる。入射側の屈折率と入射角をn1とα,続く媒質をn2とβとするとSnellの法則より

式(41)  (41)

が成立する。光は横波なので電場の振動方向をp偏光(紙面内方向)とs偏光(紙面に垂直方向)に分けると,各々の透過及び反射率は式(42)で表わされる1)

式(42)  (42)

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